小夜の指が体をなぞっていく。
「んんっ、あっ、くっ…」
自分の体を自分のものじゃない指が触れているのは、何とも言えない感触だった。
小夜の指は、的確に胸の頂点を避け、ひたすらにその周りを弄っていた。
どうして…、その、先を触ってくれないのだろう…。触ってほしい…おかしくなる…
全身の感覚、神経が全部そこに集まってきているようだった。
「んっ、小夜ちゃん…はぁっ、その…ひぅっ」
「どうしたのかしら、阿古」
「さ、先を…んんっ…!」
「…ふふっ、先がどうしたの」
小夜は分かっているのだ。分かっていて、あえて知らないふりをしている。
それがわかっている阿古は、もどかしくてもどかしくて、しかし自分ではどうにもできない。
その間にも、意識はどんどん高みへ持ち上げられていく。
実際、もうひと押しでいってしまう、そんなところまでは来ていた。
でも、やはり最後の引き金が足りない。
「お、お願いっ、…んっ、先でいかせてっ…はあっ…くだ…さいっ…」
もう我慢できない。
おかしくなる。
「…じゃあ、いかせてあげる…」
「…ッ!」
頂点を避けていた小夜の指が、一気に乳首を責め立て始めた。
「ふああぁぁぁっっっ」
先をつまんで、弄る。
ただそれだけの動作だったが、阿古にはもう我慢できなかった。
激しい快楽が、一気に意識を持っていく。
「だめっ…あぁっ…っ!」
快感が体を貪り、意識を保てない。
「…ほら、いっちゃいなさい」
ひたすら動く指。
「あっ…あぁっ…あああぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「(びくっびくっびくっ…)」
がくがくと震える体は、阿古がこれまで感じたことのない絶頂に達したことを物語っていた。